レストレスレッグ症候群治療薬

レストレスレッグ症候群(RLS:restless legs syndrome)は、下肢を中心に不快な異常感覚とともに脚を動かしたいという強い欲求が生じる中枢神経系疾患である。
この症状は夕方から夜間に悪化し、入眠や睡眠の維持を妨げることから不眠を訴える患者さんが多く、日常生活においてQOL(生活の質)が著しく障害されることになります。また近年の研究では、RLSと心血管疾患、うつ病との関連も報告されています。
早期診断と治療が必要とされる疾患です。
RLSの治療において保険適応のある薬はビ・シフロールの一剤のみでしたが、2012年1月、新たな作用機序を有する新規のRLS治療剤、レグナイト錠が承認されました。

比較的軽度な病態である簡潔性RLSでは、まず非薬物療法を施行します。
●鉄分の補給
●要因となる薬物の中止や減量(抗うつ剤や抗精神病薬)
●カフェインや飲酒、喫煙の制限
●規則的な睡眠
●温かいお風呂や冷たいシャワー、ウォーキング、マッサージ、ストレッチなど
●原因となる基礎疾患の治療(月経過多、胃腸障害など)

非薬物療法で効果不十分の場合には、薬物療法が施行されます。
ドパミンアゴニストを適切な用量投与しているにも関わらず、反応が不十分など治療抵抗性RLAではガバペンチンへの切り替え(レグナイト)などが行われます。
(※レグナイト:ガバペンチンエナカルビルはガバペンチンのプロドラッグ化合物。2012年1月に「中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群」を効能・効果として承認された)

レグナイトの活性代謝物であるガバペンチンは電位依存性Caチャネルのα2δサブユニットに結合してCaイオンの流入を抑制し、グルタミン酸などの興奮性神経伝達物質の遊離を抑制させることにより、脊髄後角におけるシグナル伝達の更新あるいは異常を正常化させ、異常感覚などのRLSの症状や周期性四肢運動などに対して治療効果を発揮すると考えられます。
また脳内γアミノ酪酸(GABA)量の増加及びGABAトランスポーターの活性化によるGABA細胞内取り込みを促進し、抑制性神経であるGABA神経を更新させることがわかっており、睡眠の改善が期待されます。

当院では予約での診療を行っております。

初診でお越しになる場合は、予めお電話で確認していただけますようお願いいたします。

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